Icon of admin
見聞 漫画  
『新九郎、奔る!』が今ビッコミで六巻分無料と知り読んだ。めちゃくちゃ面白かったです。ゆうきまさみ、漫画がうますぎる…!!(ベテランに向かって今更なにを…!?)
作中人物は自分と家が生き残るために策を巡らしているんですが、こういう場面で「ど〜しよ!ど〜しよ!」となってる人間を描くのが上手な作者ですね。ストーリー的にも絵的にも。もちろん当時の公家や武士としてどうなのと思われる行動はあり、そこを批難はされてるけど。行動の正誤の前に人間の感情ありきで、正誤と勝敗は違う、という手付きで描かれている作品な気がする。
歴史ものなのにちょいちょい横文字や現代テイストの演出が挟まれるんだけど、作風的に違和感がなくただ面白くて話がわかりやすくなるバランス感覚、作者が自分の強みわかってる感じで良い。GO!GO!GO!って叫ぶ武者とか、ブラーヴォ!って叫ぶ平家とかさ。好きになるじゃん…。続刊の試し読みを眺めてたらJR西日本まで出てきて笑ったよ。それが読み進めるスピードや感情を全く邪魔しないんだからすごいや。
それから、ゆうきまさみの描く男、なんか全員刺さる(好き!というんじゃなくて、あ〜イイ…となるのが多い感じの)顔の造形をしてるので画面眺めてるだけで幸せになれる。作中でどんどこ時間が経過するので当然のように人は年を取るわけですが、壮年の者は少しずつ顔にシワを刻み白髪が増えときに痩せていき、幼子は背が伸び肉が付きたくましい若者になっていく、そんな年齢の段階の描き分けもうまい。ある日親が老いているのに気付いて「ああ〜……」となる感じが絵にある。
あと、私は他のゆうきまさみ作品は『じゃじゃ馬』を読んでいるので、馬が出てくると嬉しくなっちゃう。本作の馬を誰が描いてるのかわからないけど、サラブレッドとは違う体型で描いてると思う。
リンクをコピーしました!